2008年12月、印刷インキ工業連合会において植物油インキの定義および使用基準が定められ、2009年2月より植物油インキ製品へのマーク表示が開始されました。
松本印刷は、植物油インキマークの表示が可能な印刷会社として既に登録が完了しています。
現在、日本では1990年代半ばから環境対応型インキとして大豆油インキが普及し始め、現在では多くの印刷物で使用されるようになりました。
しかし、昨今の地球温暖化に伴う異常気象等の影響による穀物凶作や、化石燃料に代わるバイオ燃料の需要拡大により、大豆などの穀物価格が高騰しています。このような状況下で、食料である大豆を原料とする大豆油に限定して、環境対応型インキの原料とすることは望ましいこととはいえず、大豆に限定しない非食用とされる他の植物を原料としたインキ使用の拡大が求められています。
このような背景のもとに制定されたのが、植物油インキです。
植物油インキは、印刷インキ工業連合会が定義および使用基準を定めた植物油、または植物油を原料としたエステルとの合計が、含有基準量以上のインキのことです。
インキ中の植物油含有基準量(重量%)日本インキ工業連合会の定義より抜粋
枚葉インキ |
20%以上 |
ビジネスフォームインキ |
20%以上 |
各種UVインキ |
7%以上 |
植物由来の植物油は、環境を汚しにくく、生分解性があるという特徴があり、揮発性有機化合物の排出量も少ない、環境に優しい原材料です。
再生産可能な大豆油、亜麻仁油、桐油、ヤシ油、パーム油等植物由来の油、およびそれらを主体とした廃食用油等をリサイクルした再生油と定められています。